第9回COCO THE ST-ORY開催! | ココウォーク cocothestory(ココザストーリー)

第9回COCO THE ST-ORY開催!

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料理人と生産者が繋がり、長崎の食の新しいストーリーを紡いでいく

「COCO THE ST-ORY(ココ ザ ストーリー)」とは、長崎の生産者とつながる一夜限りのポップアップレストラン。毎回、異なるテーマで生産者や料理に関わる方たちと企画しながら、テーマに沿った演出で料理を提供していきます。プロデュースするのは、読んで・食べて長崎の旬を楽しむことができる、食べもの付き情報誌「ながさき食べる通信」さん。私たちみらい長崎ココウォークは、食の楽しさ・長崎の豊かさ・生産者の情熱・地域課題に触れる機会が増えれば、もっと暮らしが楽しく、そして地域が豊かになると信じて、今後も継続したイベント開催を計画しています。

第9回目となる「COCO THE ST-ORY」。ながさき食べる通信2023年夏号でご紹介した、北松浦郡小値賀町・斑島で50年以上に渡り一本釣り漁師として活躍されている中村光洋さんをゲストに迎えました。タイトルは「値賀咲〜銀色の輝きに包まれる〜」。美しい和の逸品と島の魅力が輝く、一夜限りのポップアップレストランが開催されました。

値賀咲(ちかさき)とは、小値賀で一本釣りされたイサキのこと。2000年に小値賀漁協が商標登録し、活〆や血抜き、氷締めなどで抜群の鮮度を保ったブランド魚として高く評価されています。長崎県内で出回ることは少ないそうですが、この日は特別に中村さんが釣ったものから特に大きなイサキをご用意いただきました!

ながさき食べる通信の森田編集長の案内の後、中村さんもご挨拶。「小学生の頃、漁に連れて行ってくれた親父をそばで見て“いい顔だな”と思って、15歳からこの道に進みました。それから53年。海では何度も危険な思いをしましたが、大漁の喜び、釣れない悔しさが原動力となり、また明日も頑張ろうと海に出ます」。漁師としての生き方を自分の言葉で伝える中村さんに、あたたかな拍手が広がりました。

今回料理を担当するのは、長崎市油屋町にあるミシュラン一つ星を獲得した名店「日本料理 瀧」の店主・大瀧康浩さん。もともと関西で長く修行していたそうで「イサキといえば、高く取引される魚として知られています」とのこと。凛とした立ち姿、見事な包丁さばきで料理の下ごしらえを進めながら、時折親しみやすい笑顔を見せる大瀧さん。イサキをどんな逸品に仕上げていくのか、期待が高まります!

#9 値賀咲〜銀色の輝きに包まれる〜

○昆布〆上用和え

○潮汁仕立て

○焼霜造り

○酒蒸し

○湯引き梅酢ジュレ掛け

○フリット

○棒寿司

○水菓子

多彩なイサキの魅力を存分に堪能できる上品なメニュー

今回は主役となるイサキのおいしさを、大瀧さんが様々な和の逸品で表現してくれました。〆る、炙る、蒸す、揚げる。それぞれの調理方法に合わせた繊細な下処理と味付けをすることで、こんなにも奥深い味わいが楽しめるとは!会場の皆さんも一皿ずつ、一口ずつを、おいしいお酒とともにゆっくり堪能されている様子でした。

今号のながさき食べる通信では、小値賀町産業振興課や宇久小値賀漁業協同組合の方々が協力し“オール小値賀”での取材撮影が実現したそうです。挨拶される皆さんがそれぞれに、小値賀の暮らしや魚の魅力を自然体で語る様子が印象的で、まっすぐな島への愛着が伝わってきました。

全国的に漁業者の高齢化や後継者不足が問題となる中、小値賀も例外ではありません。おいしいイサキをもっと食べてほしい、もっと魚食文化が盛り上がって若い漁業者の後押しとなってほしい。そんな思いで魚を届けてくださった小値賀の方々に、見事な料理で応えた大瀧さん。おいしい食を支える人たちの共演により、印象深いディナーとなりました。

食材を知ることは、地域を知ること。普段知ることのできないストーリーを知ることで、その食材の魅力はさらに輝きます。そんな貴重なひと時を堪能する「COCO THE ST-ORY」。次回の開催もお楽しみに!