第13回COCO THE ST-ORY開催!
料理人と生産者が繋がり、長崎の食の新しいストーリーを紡いでいく
「COCO THE ST-ORY(ココ ザ ストーリー)」とは、長崎の生産者とつながる一夜限りのポップアップレストラン。毎回、異なるテーマで生産者や料理に関わる方たちと企画しながら、テーマに沿った演出で料理を提供していきます。プロデュースするのは、読んで・食べて長崎の旬を楽しむことができる、食べもの付き情報誌「ながさき食べる通信」さん。私たちみらい長崎ココウォークは、食の楽しさ・長崎の豊かさ・生産者の情熱・地域課題に触れる機会が増えれば、もっと暮らしが楽しく、そして地域が豊かになると信じて、今後も継続したイベント開催を計画しています。
2年目を迎えて第13回目となる「COCO THE ST-ORY」。今回は全国レベルの収穫量を誇るJA長崎せいひの「ことのうみいちご部会」で活躍する楠元航平さんをゲストに迎えました。タイトルは「長崎いちご〜伝来の地で花開くAJIWAI〜」。かつて長崎・出島に伝来したイチゴを使った目にも美しい料理にときめく、一夜限りのポップアップレストランが開催されました。
温暖で日当たりが良い長崎県はイチゴ栽培に適した場所で、全国で4位の収穫量を記録しています。品種は「ゆめのか」が中心で、大粒のしっかりとした果皮と程よい甘み・酸味のバランスが特徴。生産者同士の横の繋がりが深く、日々、意見交換を重ねながらおいしいイチゴを育てています。この日用意された獲れたてのイチゴも、真っ赤に輝いて、見るからにおいしそう!
ながさき食べる通信の森田編集長の案内の後、楠元さんが挨拶。緊張した様子でしたが、大手自動車メーカーからイチゴ農家に転職した経緯や、長崎県の技術習得支援研修を受講した体験談などを語りました。また楠元さんと同じ「ことのうみいちご部会」に所属するイチゴ農家の田崎由純さんも挨拶。20代半ばという若さで部会の中でも随一の収穫量を記録していて、長崎のイチゴ栽培の盛り上がりがこれからも楽しみです。
今回料理を担当するのは、長崎市鍛冶屋町にあるレストラン「Italian&Sweets Muggina」の鈴木貴之シェフ。長崎スイーツ王子として地元食材を使ったスイーツの魅力を発信し、これまで10年以上に渡って長崎市内のいちごスイーツフェスタを牽引してきました。「地産地消を大切にして、イチゴだけではなく長崎産のいろんな食材をコースに盛り込みました」と鈴木シェフ。どんなイタリアンに仕上がるのか、ワクワクします!
#13 長崎いちご〜伝来の地で花開くAJIWAI〜
○長崎いちごといろいろお野菜の前菜盛り合わせ
○じゃがいものニョッキ 長崎いちごとトマトのクリームソース
○長崎いちごとイタリアンパセリのバターのせパーネ
○豚肩ロースのポルケッタ 長崎いちご添え
○新玉ねぎのパンナコッタ
○長崎いちごのコッパ
○長崎カステラのカンノーリ
○コーヒーor紅茶
イチゴの新たなおいしさを引き出す鮮やかなメニュー
前菜からデザートまで、随所に長崎いちごを活かしたコース料理。いちごの甘味と酸味をうまく引き出して活かすことで、他の食材と組み合わせた時に新感覚のおいしさを生み出します。鮮やかな盛り付けも魅力的で、会場全体が自然と和やかで幸せな雰囲気となり、皆さん楽しい時間を過ごしている様子でした。
いちごをはじめ、実はパスタやじゃがいなども長崎・出島に最初に伝わってきたそう。そうしたルーツをリスペクトしながら、見事な料理を仕上げていく鈴木シェフ。そしてデザートは、長崎スイーツ王子の腕の見せ所。サプライズのパンナコッタとドルチェ3品で、大満足の特別な一夜を締めくくりました。
料理提供の合間には、長崎市水産農林部で食の推進係を務める城野剛輔さんから、長崎いちごや毎月19日の「食卓の日」について解説もありました。「イチゴはもともと、江戸時代にオランダ船から観賞用として出島に伝わってきたのが始まりです」とのこと。当日は長崎いちごのかわいいキャラクター・ゆめずきんちゃんのマスコットも。
イチゴ農家の楠元さんと田崎さんは「自分たちはそのまま食べるのが当たり前で、シェフがいろんな料理にしてくださって驚きです。皆さんが『おいしい!』と喜ばれている様子を見て、これまで以上にいちご栽培を頑張ろうと思いました」と笑顔。これまでの歴史、生産者の声、新たなおいしさを知ることで、全国に誇る長崎いちごの魅力を改めて実感できるひと時となりました。
食材を知ることは、地域を知ること。普段知ることのできないストーリーを知ることで、その食材の魅力はさらに輝きます。そんな貴重なひと時を堪能する「COCO THE ST-ORY」。次回の開催もお楽しみに!